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米国の特許制度 |
2007.12.19
第5回 目次
14.OAへの対応
14.1 答弁書
14.2 審査官との面接
(以上第4回)
14.3 補正とニューマター
14.4 継続出願
14.5 継続審査請求
14.6 アピール
15.特許発行後の手続き
15.1 Reissue
15.2 Reexamination
15.3 Certificate of
Correction
前回(2007-11-12)の質問に対する回答
質問
「RCE、CA、CIPの違い(実務的、法律的等)をご教示下さい。」
回答
@RCEついては112/173〜113/173、
ACAおよびCIPについては、114/173〜115/173
をご参照ください。
14.3 補正とニューマター
拒絶理由通知に対して応答する際、補正を行うことができる。
しかし、出願当初の明細書およびクレームへのニュー・マターの導入は、35 USC 132により禁じられている。
ニューマターとは、
1出願当初の開示からの逸脱(departure)
2当該開示への追加のことである。
出願当初に明白に、または固有に(inherently)開示されていた記載を明確にする訂正、もしくは図面またはクレームに
もともと開示されていた事項(matter)に、明細書の記載を適合させる訂正は、ニュー・マター禁止(new matter prohibition)
の違反とはならない。
補正とニューマター
出願当初の開示に補正の根拠がないと考えられる要素を追加するように訂正がなされたクレームの拒絶の根拠は、
35 USC 112第1パラグラフであることを、CCPA(現CAFC)は明確にしている。
35 USC 112第1パラグラフ
明細書には、当業者が、発明を生産、使用しうる程度に、発明およびその生産、使用方法を充分に、明確に、
そして正確な用語を用いて明記するものとし、発明者が最善と信じる発明の態様を記載しなければならない。
一方、出願当初に存在した記載に新たな開示を挿入した要約書、明細書または図面の訂正の拒絶の根拠は、
35 USC 132であるとされている。
35 USC 132
(a)審査において、クレームの拒絶、または方式に関する拒絶、もしくは命令が出されたとき、コミッショナーは、
拒絶、方式拒絶または命令の理由を示し、出願手続き続行の適否を判断するのに有用と思われる情報と資料を添付し、
出願人に通知しなければならない。通知受領後、補正書の提出、不提出にかかわりなく、出願人が出願の特許化を要求するとき、
出願は、再び審査されるものとする。補正により、発明の開示に新規事項を加えることは許されない。
一般的に、35 USC 132に基づいて、出願当初にクレームされていた範囲を狭める補正は、ニューマターとして拒絶されない。
しかし、出願当初に開示されていたクレームの範囲を狭める補正が、 35 USC 112第1パラグラフで規定する記述によって
支持されているかは、各件ごとに判断されるので、当該クレームの範囲内の規定であってもパラメータの種類によっては
ニューマターとして拒絶されることもある。
処理パラメーター
・濃度
・温度 → 拒絶されにくい
・時間
・圧力
化学的パラメーター
・炭素原子数 → 拒絶されやすい
また、CAFCは、開示を説明し明確化するために加えられるサブジェクトマターであれば付加を是認することがある。
すなわち、製品の固有の特徴や性質であるサブジェクトマターの付加は、ニューマターの禁止に背くことなく受け入れられる
場合がある。
In re Rasmussen事件(221 USPQ 323)
事件
出願人は、管状のフィルム層を接着する方法を重要でないとして、クレーム6の記載を次のように補正した。
… applying to the
flatted tube a band of adhesive of predetermined width …
↓
… adheringly
applying to the flatted tube …over a band of predetermined width …
審査官は、 … adheringly applying …は、35 USC 132によって禁止されているニューマターであるとして、
この補正を拒絶した。
さらに、審査官は、接着剤の使用についても、補正により広がったクレームを許せば出願当初の開示の範囲を拡大
することを意味すると説明している。
判断
当業者であれば、Rasmussenの明細書より、層が貼着されている限り、層がいかにして貼着されるかは重要では
ないことは理解できる。
よって、“adheringly applying”という文言は、明細書中の実施例で支持されており、ニューマターに該当しないとした。
14.4継続出願
Office Actionが出された場合、通常の応答方法の1つとして、補正が考えられる。
しかし、 Final OAの場合、審査官は、補正内容を無視してAdvisory
Actionを出すことがある。
このような場合、補正をするかわりに継続出願という形で実質的に補正したものを出願すると、審査官は補正内容も
含めて出願を審査してくれるというメリットがある。
また、この継続出願は、審査における補正と違って回数制限がなく、通常の応答をすればすぐに拒絶査定が
出されてしまうようなものについて、係属期間を引きのばすこともできる。
継続出願(Continuing Application)の種類
・ 継続出願 (Continuation
Application)
・一部継続出願 (Continuation-in-part
Application)
・ 分割出願 (Divisional
Application)
継続出願(Continuation Application)には、2種類ある。
・Rule 53(b)に基づく CA (Continuation Application)
・Rule 53(d)に基づく CPA(2000年5月29日の出願まで)
(Continued
Prosecution Application)
判決

Rule 53(b)に基づく CA
Rule 53(b)に基づく CAは、新たにクレームを建てなおして審査を受けたい場合に利用される。
・ new subject matterを包含してはならない(親出願に開示されている事項と同一でなくてはならない
・親出願を放棄しなくても行うことができる
・ 新たな出願番号および出願日が与えられる(ただし、有効出願日は親出願の出願日)
Rule 53(d) に基づく CPA
Rule 53(d)に基づく CPAは、Final
OAの後、審査を継続させたい場合に利用される。
・親出願におけるすべての手続きを引き継ぐ
・親出願の出願番号を引継ぐ(親出願は放棄)
分割出願
分割出願は、2以上の発明が1出願中に含まれていると判断され、分割指令が発せられた場合(Restrictionの場合など)
に利用される。
・新クレームを追加することはできない
・ Declaration、
Power of Attorney、優先権証明書などの再提出は不要
一部継続出願: CIP(Continuation-in-part
Application)
CIP出願は、new matterと認定されるであろう事項を親出願(parent
application)に挿入し、
新たな出願とする場合に利用される。
・原明細書に開示されていた部分については、親出願の出願日(優先日)の利益が享受できる
・親出願とは別出願なので、新しいDeclaration、 Power of Attorneyなどが必要
・親出願が係属してる間は、いつでも可能
Ruscetta事件 (118 USPQ 101, CCPA 1958)

Ruscetta事件 (118 USPQ 101, CCPA 1958)
背景
RuscettaおよびJennyは、1950年にアメリカ特許出願をした。1955年に彼らは最初の出願の内容を広げるCIP出願をしたが、
これは1950年の原出願に鑑み、明らかにnew matterを含んでいた。
1953年には、1950年のアメリカ原出願に対応するイギリス特許出願が公告された。
結論
“statutory bar(法定拒絶理由)”の期間(1年のグレースピリオド、アメリカ特許法§102(b))が経過したあとで、
より広い範囲で規定した発明について出願したが、追加された事項が原出願の内容から自明のものであった。
Lukach事件
事件
控訴人は、CIP出願で追加した事項について原出願日への遡及効を認めるべきと主張した。
そして、 CIP出願のクレームを減縮するために追加した事項が、原出願でサポートされているかどうかが問題となった。
控訴人は、CIP出願に追加した事項「少なくとも2.0で約3未満」のMw/Mnの比率の限定は、原出願にinherentlyに開示され
ていたと抗弁した。
判断
原出願の出願日の利益を受けることができない。
「原出願には、コポリマーのMw/Mnの表現がない。しかし、クレームされた発明が§112の記載の要件を
満足するためには、そのとおりの字句で記載されることを要しないと控訴人は主張した。」
「控訴人は、原出願中の実施例の1つがMw/Mn比2.6のコポリマーであると審査官が認めたことを指摘した。」
「しかし、この実施例は2.0から3.0までの範囲をsupportするものではない。さらに、原出願中のいかなる記述を参酌しても、
そのような数値範囲を示唆するものもない。
したがって、控訴人はCIP出願で新しく追加した事項について原出願の出願日の利益を受けることができない。」
Smith事件
事件
出願人が「12以上の炭素原子・・・」というクレームの限定を、「8〜36の炭素原子」と規定する新たな
限定と入れ替える広いgenusクレームを記載したCIP出願をして、原出願の利益を受けようとした。
控訴人は、 Risse判決を引用した。
Risse判決によれば、つぎの2つの要件が満足されれば、 subgenusクレームが記載された継続出願において、
原出願の出願日の利益が受けられる。
Risse判決
(1)クレームされたsubgenusを完全に包含するgenusが原出願に開示されていること
(2)少なくともsubgenusの範囲内にある1つのspeciesが原出願に開示されていること
Risse判決

Smith事件
判断
原出願の出願日の利益を受けることができない。
控訴人の主張したRisse判決でのopinionとは異なり、本事件においては、原出願の開示では決してsubgenusに
到達しないと判断した。
Johnson事件(174 CCPA 1977. 6. 16)
事件
1963年に出願人は、一般式:−O−E−O−E’−の繰り返し単位をもち、EおよびE’がともに多種の基を含む
と広く定義されたポリマーについて出願した。
審査において、EおよびE’がともに2価のスルホンである化合物およびEおよびE’が芳香族環と結合した
2価のカルボン酸を含む化合物は公知であり、新規性がないと判断された。
そこで、出願人は、これらの公知例を外すように、つぎのようなgenusクレームを作成して、CIP出願をした。
1.一般式
−O−E−O−E’−
を有する・・・繰り返し単位をもち、Eが2価のフェノール残基であり、E’が2価のbenzenoid化合物の残基であり、
EおよびE’の両者には2価のスルホン基が含まれず、また2つの芳香族環と結合する2価のカルボン酸が含まれないポリマー。
狭いgenusを記載した1972年のCIP出願の日より1年以上前である1965年1月18日に、1963年の原出願の対応外国出願で
あるオランダ特許出願No. 6408130が公開された。

事件
審査官および審判部は、クレーム1の新しいgenusの記載が1963年の出願には何もなかったという理由で、
出願日の遡及効を認めず、対応オランダ出願の公開をもとに、新規性なしとして拒絶した。
判断
原出願の出願日の利益を受けることができる。
裁判所は、1972年genusの多くの規範的なサポートが1963年出願に見出せると判断した。
また、裁判所は、出願人は出願時に自己の特許性のある発明の真の範囲を知り得ないこと、
そして自己の原出願の広い発明の定義に特許性がないと気づいたとき、より狭い定義に退却することが認められるべきである
と主張した。
14.5 継続審査請求
Final OAに対して、RCE(Request
for Continued Examination、継続審査請求)をすることができる。
RCEは、CPAに代わる制度であり、1995年6月8日以降の出願が対象となる。
(なお、2000年5月29日以降の出願についてはCPAはできなくなった。)
( RCE )
・ 新たなサーチを必要とするようなクレームの補正が可能
・ New matterの追加は認められない
・効果はCPAとまったく同一である
| CA、CIP | RCE、 CPA |
| 原出願は、 ・通常の米国出願( non-provisional application) ・米国を指定した国際出願 |
原出願は、 ・通常の米国出願( non-provisional application) |
| ・少なくとも1人の発明者が共通 | ・原則として原出願の発明者と同一 |
| CA、CIP | RCE、CPA |
| ・原出願は係属する | ・原出願は放棄したものとみなされる |
| ・新たな出願番号が付与される | ・原出願の全ての手続を引き継ぐ |
14.6 アピール
Final Actionに対する答弁書の内容が審査官により容認されないときは、継続出願のほかに、
Board of Appeals
and Interferencesへ控訴することもできる。
控訴届(Notice of Appeal)は、
Final Actionから通常3カ月以内にアピール料金$500とともに
提出しなければならない。
Notice of Appeal提出後60日以内に出願人は控訴理由書(Brief on Appeal)を$500の追加料金とともに
提出しなければならない。
Appeal後はクレームの訂正または新たなクレームの提出は認められない。
拒絶されたクレームの特許性を主張するAffidavitまたはEvidenceも、それが Appeal請求前に提出できなかった
正当かつ充分な理由を示さない限り認められない。
正当かつ充分な理由があるとBoard of Patent Appeals and Interferencesが認めれば、 Appeal Briefの提出期限は、
2ヵ月を限度に延長されうる。
Brief on Appeal提出後、出願は3人の審判官によって検討される。3人の審判官のうち1人は審査を担当した審査官である。
許可される場合
クレームを許可する審決がされると、事件は審査官に差戻され、審決に従って処理されることになる。
許可されない場合
Brief on Appealに対する審判官の答弁書(Examiner’s Answer)が作成される。
Examiner’s Answerを受け取ってから20日以内に出願人は弁駁書(Reply Brief)を提出することができる。
請求すれば、口頭審理(Oral Hearing)が行われる。
審判官は書面をもって審決をし、審査官の認定を確認するか、または全体もしくは一部を覆す。
Board of Patent Appeals and Interferencesの決定に対して不服のあるときは、さらに上級審に進むことができる。
すなわち Court of Appeals for the Federal Circuit(連邦巡回控訴裁判所、CAFC)に進み、さらにCAFCの判決に対しては
連邦最高裁へ上告できる。ただし、上告は却下される場合がある。

15 特許発行後の手続き
15.1Reissue
再発行特許出願制度とは、特許付与後に特許権者が自己の特許に欠陥を発見した場合(侵害訴訟の提起を予定しているなどの場合)、
またはクレーム範囲を拡張、減縮したいと望む場合に、特許権者にクレーム、明細書などの訂正を可能とする制度である。
再発行特許出願は、つぎの目的で行なわれる。
1クレーム、明細書、図面の欠陥の訂正
2クレーム範囲の拡張
3クレーム範囲の減縮
4新たなクレームの追加
5共同出願人の訂正
6原出願でした優先権主張に関する誤りの訂正、または原出願でされていなかった優先権主張をすること
再発行特許の出願は、原特許に開示されていなかったニューマターを含んではならない。
また、追加する新たなクレームも出願人が原出願でクレームしえたものでなければならない。
再発行特許出願は、クレームの範囲を拡張するものでない場合には、原特許の存続期間中いつでも出願できる。
また、特許権者のみならず、出願の全部について権利を譲り受けた譲受人も、再発行特許出願することができる。
一方、クレーム範囲の拡張を目的とする場合には、再発行特許出願は原特許の発行日から2年以内にしなければならない。
さらに、再発行特許の出願人は原出願の出願人(すなわち発明者)と同じでなければならない。

recaptureの原理
原出願で放棄したクレームを再発行特許出願によって獲得することはできない(recaptureの原理)。
たとえば、先行技術による拒絶理由を克服するためにクレームを削除または減縮した場合、
再発行特許出願により再びもとのクレームを得ようとすることはできない。
アメリカ特許法は、再発行特許出願の原因となった誤りが“詐欺的な意図”のないものであったことを要求する。
よって、原因となった誤りが善意の過失に基づくものであり、詐欺的な意図によるものでないことを明らかにしなければならない。
アメリカ特許法は、再発行特許出願の原因となった誤りが“詐欺的な意図”のないものであったことを要求する。
この善意ならびに詐欺的意図がなかったという事実は再発行特許を得るための重要な要素であり、
このことを明確にできなければ再発行特許出願による救済を得ることができない。
このように、原因となった誤りが善意の過失に基づくものであり、詐欺的な意図によるものでないことを明らかにするために、
通常、宣誓書を提出する。
再発行特許出願が行われると、通常の特許出願と実質的に同様に審査が行われる。審査の対象は、
再審査制度におけるように先行特許や刊行物のみに限定されることなく、全ての特許要件について改めて審査される。
審査の結果、再発行特許出願のクレームに特許性が認められれば、原特許が放棄され、再発行特許が発行される。
再発行特許のクレームが、原特許のクレームと同じであれば、原特許からの継続とみなされ、原特許の日から引き続いて効力を有する。
一方、原特許と異なる再発行特許のクレームも、その後に提起される訴訟においては、訂正された形ではじめから
許可された場合と同じ法律効果をもつ。
ただし、再発行特許が原特許のクレームの範囲を拡張するものであり、併せて原特許のクレームには包含されないが
再発行特許のクレームに包含されることとなる発明を現に実施している者があれば、その者には当該再発行特許に対する
中用権(Intervening Right)が認められる。
再発行特許クレーム 再発行特許出願の時点で現に実施している者があれば、中用権が認められる。

15.2 Reexamination
アメリカ特許制度には特許異議の申立制度がなく、第三者が特許の有効性を争うには、侵害の警告を受けた者が
裁判所に特許無効の確認訴訟(Declaratory Judgement)を提起するか、特許侵害訴訟の場で特許無効の反訴をするなどの
手段によらざるを得なかった。
しかも、このような裁判所での手続ではかなり高い確率で特許が無効と判断されていたため、米国では特許が権利として
不安定なものであることが指摘されていた。
このような問題点を是正するために、特許権者であるか第三者であるかを問わず、誰でも再審査を請求することができる
再審査制度(Re-examination)が1980年の法改正で導入された。
査定系再審査(ex parte reexamination)
再審査の流れ
1発行済み特許の特許性に関係がある先行技術文献(引例)をもとに、再審査請求をする。
再審査請求は特許権者でも第三者でも何人も行うことができる。
2引例が対象となる特許の特許性に関する実質的なnew problemを生じるものであるか否かを3ヵ月以内に決定する。
3 New problemが発見されなければ、再審査請求は棄却される。New
problemがあると認められたとき、コミッショナーに
よって再審査をすべき旨の命令がなされ、審査が行われる。
4New problemが発見された場合には、再審査命令が発せられ、特許権者にその旨が通知される。通知を受けた特許権者は、
訂正などを行って意見書を提出する期間が2ヵ月間与えられる。第三者が再審査請求を行った場合には、
特許権者の意見書に対して弁駁書を提出する期間が2ヵ月間与えられる。
5特許権者と第三者の主張が出揃うと審査官は特許の再審査を開始する。以後の手続きは、通常の審査と同様に
特許権者と審査官の間のみで進められる。再審査が終了すると、新たなクレームの証明書が発行される。
しかし、査定系再審査では、特許のクレームの有効性に関し提出できる判断資料は先行特許と刊行物のみに制限され、
その他の無効事由、たとえば特許出願前に公然と使用、販売されていたこと(prior use or sale)あるいは特許取得の過程で
フロード(fraud)があったなどの事由を根拠として再審査を請求することはできない。
また、第三者は先行技術文献をUSPTOに提出できるのみで、その後の応答手続きには全く関与することができなかった。
そのため、特許性を争う手段として有効に機能しているとはいえず、特許異議の申立制度を有するEUおよび日本
(無効審判制度がある)が改正を強く要求していた。
そこで、1999年に再審査制度が改正され、再審査の審理に第三者が関与できる当事者系再審査が設けられた。
当事者系再審査(inter partes reexamination)
留意点
・何人も請求することができる
ただし、利害関係が必要であり、匿名での請求は認められない
・1999年11月29日以降の出願に限る
再審査制度に関する法改正
・2002年10月4日
・再審査制度に関する改正法案が議会(上院と下院)を通過。
従来の再審査制度における問題点
1審査において引用された先行技術文献をもとにし再審査請求をすることはできなかった。
↓
先審査が、先行文献の解釈を誤るなど、適切になされていない場合があっても再審査請求はできなかった。
2当事者系再審査制度における第三者請求人は、BPAIの決定に不服があるときでもCAFCへ提訴することは認められなかった。
↓
第三者請求人は、BPAIの決定に不服の場合、該特許権に対して無効訴訟を起こさなければならず(侵害訴訟が起こったとき)、
費用の点で負担が大きかった。また、第三者請求人は、CAFCに提訴できないので、 USPTOの特許権者に有利な判断を排除する
ことができなかった。
査定系再審査
・特許権者は、BPAIに審判を請求できる。
・BPAIの審決に不服のあるときは、さらにCAFCへ提訴することができる。
当事者系再審査
・特許権者は、査定系と同じで、BPAIおよびCAFCへのアピールができる。
・しかし、第三者請求人は、BPAIにのみ審判を請求することができ、CAFCへの提訴はできない。
改正の内容
1審査過程で引用された先行技術のみに基づいて請求する場合であっても、再審査を請求できる。
2当事者系再審査制度における第三者請求人も、Board of Patent Appeals and Interferences
(BPAI)の審決に不服があるときは、
CAFCに提訴できる。
改正によって…
1審査過程で、審査官によって引用された参考文献をもとにして、再審査を請求できるようになった。
2BPAIの審決に不服の場合、CAFCに対して提訴できることになった。
3CAFCに対して提訴できる権利は、 USPTOによる特許権者に有利な判断を排除することができると思われる。
15.3Certificate of Correction
特許発行後に誤りが発見された場合…
1 USPTOが特許証の印刷に際して誤りをおかした場合、料金無料で訂正証明書(Certificate of Correction)が発行される。
2筆記上の誤り、タイプ上の誤り、その他USPTOの過失によらない些細な誤りが特許証に発見された場合、
一定料金($100)を支払うことによって訂正証明書が発行される。
3特許証発行後に発明者でない者が発明者とされていたり、発明者である者が発明者とされていなかったことが発見された場合、
当該発明者の誤記が過失によりかつ詐欺的意図のないものであれば、一定料金($100)を支払うことによって訂正証明書が発行される。
4先行特許に記載があるなどの新たに発見された理由で特許の中の1つまたはそれ以上のクレームが無効であると考えられる場合、
特許権者はそのクレームを放棄(disclaimer)することができる。